国内外の高品質なプロダクトを厳選し、
その魅力の伝え方まで考える仕事
バイヤーは、国内外の高品質な製品の中から、コスメキッチンで何を取り扱うかを決定していくことが主な仕事です。どんな想いから生まれた製品か、処方やテクスチャー、パッケージにどんなユニークネスがあるか、背景のストーリーはどうか、お客様や時代のニーズに寄り添っているかなど、多角的にチームで相談しながら決定します。さらに、セレクトして終わりではなく、店頭スタッフへのレクチャーからお客様への魅力の伝え方まで考えます。流行や季節ニーズを捉え、メーカーさんとご相談しながらプロモーションを練るなど、細々とした販促サポートもセレクトと同じくらい重要です。バイヤーは華やかな職種だと想像されることも多いのですが、実際にはとても地道な作業が多く、細やかなコミュニケーションも求められる仕事だと捉えています。
いいものは直感的に、その差がわかる
私自身、店頭スタッフ、エリアマネージャーなどを経て現職に就いており、ものすごい量のナチュラル&オーガニック製品を試してきました。日々新しいものに触れる機会にも恵まれています。だからこそ「これは他にはないね」という感覚をもつことができ、香りやテクスチャーのインパクトで、一気にテンションが上がる瞬間があります。肌に触れた瞬間に、直感的にバイヤー陣の心を鷲掴みにするプロダクト。そんな素敵な製品との出合いが、この仕事をしていてとても楽しい瞬間ですね。
ナチュラルコスメの存在感に感動したのは
コスメキッチン代官山店でした
初めてナチュラル&オーガニックコスメを体験したのは10年ほど前、ファンデーションでした。その頃は、オーガニックスーパーや自然素材を扱うお店の一角に商品が置かれているような時代でした。当時私は美容専門学校を卒業し、百貨店の中にある敏感肌用ブランドの販売員をしていたんです。学生の頃から肌組織の構造や、素肌に優しいスキンケアへ興味があり、自分自身の肌に合うファンデーションを探す中で、ナチュラルコスメに出合いました。
コスメキッチン代官山店に初めて訪れた日のことは、今でも印象深く覚えています。お店全体に漂う植物の香りに癒され、一気に心を奪われました。その時すぐに「ここで働きたい」と転職を決めたほど衝撃的だったんです。ケミカルコスメを完全に否定する気持ちは、当時も現在もありません。ただ、長期的に使い続けるならどちらがハッピーかな?と考えると、私はナチュラルコスメを選びたいと思ったんです。
五感への刺激が、ハッピーと美しさを引き出す
コスメキッチンで働き始めてから6年ほどは店頭に立っていました。その時、「それまで何を使っても肌に合わず、原因が分からない肌荒れに悩んでいたけれど、ナチュラル&オーガニックコスメではじめてポジティブな変化を実感できた」というお客様の声をたくさん伺いました。その経験から、効能という意味での植物の力もあると思うけれど、香りから得られる幸福感や満足感など、五感への刺激も美容には大切なのではないかと考えるようになりました。スキンケアだけでなく、そのほかのライフスタイルアイテムもナチュラルなものに切り替えていかれるお客様が多かったですね。私自身も、店頭スタッフからバイヤーになった今でも、植物の香りにとても助けられています。ルームスプレーやロールオン形状になっている持ち運べるアロマなどで、気分転換するのが日課ですね。デスクワークで疲れを感じた時、頭痛や肩こりが気になる時にさっと塗っています。個人的には、ミントやグレープフルーツなどのスッキリとした清涼感のあるものが好きです。
実は、新しい生活様式に変わり社会全体でストレスを感じるシーンが増えたからだと思いますが、はじめてのお客様や男性のお客様から製品の問い合わせをいただくことが増えました。流行的な盛り上がりを経て、ナチュラル&オーガニックなものを選択することが一般的な感覚として浸透している印象を受けています。
自然環境が健全である価値を熟知しているからこそ、
環境問題にも積極的に取り組む
コスメキッチンでは、環境問題にも積極的に取り組んでいます。プラスチックゴミを減らす、水を汚さない、と言われると難しいことにも感じられますが、そのためにできることはとても身近で簡単なことだと思います。エコバッグを持ち歩く、カフェへもタンブラーを持参するなどは、やろうと思えば誰でも簡単にはじめられますよね。食器用洗剤や洗濯用洗剤など、デイリーユースしているものをナチュラルなものに切り替えるだけでも、その効果は決して小さくないと思います。
さらにいうと、「手にしているものがどう作られたものか」に目を向けることも重要だと思います。エコバッグを持ち歩くことは大事だと思うのですが、街中にエコバッグが溢れすぎていると、売れ残ったものはどうなるのかな、と考えてしまうことも…。コスメキッチンでもエコバッグをご用意していますが、海洋プラスチックを糸にして製造しています。エコバッグを製造する工程でも、海洋プラスチックゴミ問題に貢献したいと考えているからです。ちなみにコスメキッチンの店頭スタッフが着用している制服も同じ素材を使用しているんですよ。会社が積極的に環境問題へ取り組む姿勢を打ち出していることもありますが、ペットボトル飲料を常飲している人は他の企業より圧倒的に少ないと思いますね。
知識があれば自分を客観視できることにつながる
ナチュラルビューティスタイリスト検定を受験した時期が、新型コロナウイルスの影響を経験した後だったこともあり、睡眠と腸内環境の項目を特に興味深く学びました。自宅でスマートフォンやパソコンを眺める時間が増え、眠りが浅くなっている自覚があったからです。就寝前に明かりなどの環境を改善し、眠りを整えるハーブティーを摂るようになりました。ぐっすり眠れると翌朝の立ち上がりが全然違うのですね。大切なことだと思いました。さらに、心身ともに健康な状態を保つための腸内環境の整え方も面白かったです。仕事柄、断片的な情報は知っていたものの、しあわせホルモンが腸内でうまれる仕組みや、腸内環境を整えるメニューなどを知ることができて、実生活にも役立っています。また、テキスト巻末にある植物図鑑の内容は、仕事をする上でも役立っています。植物の基礎情報を理解しておけば、裏面の成分表記を見るだけでどんな目的で作られたもので、どんな効果が期待できるか想像できるようになります。さらに女性にはホルモンバランスの知識を持ち、生理周期に合わせて自分を心地よく整えるケアもおすすめしたいと感じました。知識があると、自分を客観視できて楽になるシーンも多い気がします。私自身、日々を心地よく整える手段を学びながら、いい香りの商品とともにいい時間を過ごすことを心がけ、穏やかに暮らしていきたい気持ちがさらに強くなりました。