夏休みは山へ。
自然あふれる環境で育った子ども時代
高校2年生の時、文部科学省が支援している『AIG高校生外交官渡米プログラム』に選出いただき、アメリカ東海岸へ短期留学しました。その際、長年習ってきた茶道などの日本文化を人へ伝えることをとても面白く感じました。そこから、私が生まれ育った岐阜県の魅力も発信したいと思い、『ミスなでしこ日本』に応募。現在、大学に通う傍ら、岐阜県代表として活動させていただいています。
出身は、美濃桃山陶の聖地ともいわれ、焼き物が有名な岐阜県可児市。祖父母が山をもっていたので、夏休みになると山に泊りがけで遊びに行くことを楽しみにしていました。自分たちで採った椎茸を屋外で焼いて食べたり、敷地内を流れる川でメダカや沢蟹を捕まえたり、自然とふれあう遊びをたくさんしていました。祖父は手先がとても器用で、自ら山小屋を建ててしまうほど。その山小屋に泊まりに行ったとき、山間の木々を使って棚を一緒に作った楽しさをいまでもよく覚えています。
日本の四季や自然が、茶道に深みを与えている
6歳の頃から親しんでいる茶道では、人と人とが面を合わせて一堂に会し、相手を思いやることから生まれた様々な作法を守りながら、同じ時を過ごします。その上で、四季を大切にするところが大きな魅力。客人をもてなす亭主は、四季折々の自然がもたらす瞬間的な美しさをあらゆる方法で取り込みます。点てるお茶ひとつとってもそうですが、一緒に供される料理や掛け軸、使う道具などもすべて、季節によって用意を変えるんです。もてなしを受ける客人は、亭主の心づくしを敏感に受け取り、その場を楽しみます。
現在は早稲田大学の茶道研究会に所属しているのですが、秋に開催された学園祭では、学内の大隈庭園で野点をしました。収穫されたばかりの稲穂を飾った床の間の前で、高く澄んだ秋空の下、吹き抜ける風とともに一杯のお茶を楽しむ。自然を取り込むのではなく、自然と一体化するような感覚を味わえる時間は格別でした。
抹茶だけでなく
日々の暮らしにもあらゆるお茶を
茶道で楽しむ抹茶以外にも、お茶は日々の暮らしに欠かせません。就寝前に毎晩飲んでいるのは、『ふくぎ茶』というお茶です。和菓子を嗜むときの爪楊枝の材料に使われる、クロモジという木の細い枝を、鍋で煮出して作ります。柔らかなピンク色に染まったお茶の色にも癒されますし、ほんのりスパイシーな味わいも大好きです。寝る前に温かい『ふくぎ茶』を飲むとからだ全体がポカポカして、心もゆったり。岐阜は夜になるととても冷えるので、欠かせない習慣です。
それ以外にも、シナモンの紅茶も好きです。口に含んだ一口目は甘いのに、後味は辛くなる。この味の変化が面白くてやみつきになります。すっきりとした味わいと華やかな香りが同時に楽しめる、ジャスミンティーもよく飲みます。
茶道を感じる香りに包まれ
無心になれる贅沢習慣
お風呂にゆっくり浸かる時間は、自分の心とからだに向き合う、一番のリラックスタイム。それには、天然塩とお気に入りの精油を入れた手作りのバスソルトが欠かせません。精油は檜やラベンダーも好きですが、よく使うのは茶道を思わせるサンダルウッド(白檀)。私にとって茶道は、日常の忙しさから離れ、心を落ち着かせて無になることができる、いわばリセットの時間。その雰囲気を彷彿とさせる香りに包まれることで、とても深いリラックスができるのだと思います。
母から受け継ぎたい、植物のある暮らし
ナチュラルビューティスタイリスト検定は、実は母に誘われ、母と一緒に受けました。母は昔から植物が好きで、生花やフラワーアレンジメントに親しみ、アロマの勉強もしていました。家の中には植物が飾られ、庭ではハーブが育てられ、精油の香りが暮らしの中に根付いているのが、私にとっての日常でした。そのような環境だったので、検定の内容は、普段の生活で目にしている植物の効果や効能を改めて知る、楽しい驚きにあふれていました。成分や効果的な取り入れ方を学ぶだけで、毎日目にしていた植物が違って見え、面白かったです。ハーブティーについても、それまでは味わいや香りがメインの楽しみだったけれど、求める効果から選ぶという楽しみが加わったことも嬉しいです。
母は、ナチュラルコスメを手作りしていて、私にもプレゼントしてくれます。特に気に入っているのはヘアミルクで、髪に悪影響を与える成分が入っていないシンプルさと植物の香りがとても心地よいです。さらに、庭で育てているハーブを使って、一緒にティータイムのゼリーを作ることもあります。将来結婚して子どもを持つようなことがあれば、母から教わった植物のチカラ、植物がある暮らしの豊かさを、私も子どもに受け継いでいきたいと思います。